お墓の費用 必要な費用の種類

ほとんどの方にとって、お墓の建立はご自宅の新築と同様に一生に一度のことです。しかも、住宅と違い一般的な資料も少なく、宗教的に気をつけないといけないこともありますので、益々敷居が高くなってしまうものです。
しかしながら、お墓は、墓地・墓石を合わせると、高額な出費になりますので、十分に内容を理解してから購入しましょう。

ここでは、墓地・墓石を同時に契約し、維持していく場合を想定して必要な費用をご説明します。

必要な費用について(トータル)

  必要な時期 項目 内容
1 購入時に必要 墓石費用

いわゆるお墓の部分ですが、使用する石材の材料費・彫刻などの加工費・墓地への設置工賃などが含まれます。

2 墓地費用

墓地の費用です。住宅用土地と違い、使用権利を取得する費用です。

3 購入後定期的に必要 管理料

多くの場合、年単位で墓地の維持管理に必要な費用を墓地管理者に納めます。
数千円。

霊園や石材店のパンフレットや、新聞折込チラシなどの価格で、墓地使用料と墓石費用を合わせた「墓石一式○○万円」という表記がされたものがありますが(上の表の1と2の合計)、「一式の中に何が含まれているのか」をしっかり確認しておきましょう。極端に安価な金額が表示がされている場合、設置工賃等が別になっている場合などもあります。

チラシなどの価格表記では、霊園・墓地における標準的なものや、最安価格が前面に表記されることが多くなります。
実際に建墓する際は、区画、石の種類や石の使用量、形状や付属品などによって金額が大きく異なってきます。
チラシやネットの霊園・墓地情報だけではなく、実際に現地に足を運び、建てられているお墓を例に、石の種類や金額の説明を受け、確認しておくことも大事です。

1.「墓石費用」について

墓石費用は、お墓の建物部分とお考えください。
A.「墓石の本体」、B.「外柵」、C.「施工費」の3つを合わせて墓石費用としています。

A.「墓石の本体」

先祖墓、供養塔(古い個人墓等をまとめてお祀りする)、夫婦墓、個人墓(近年は殆ど見られません)。お墓の下部には、納骨室(カロート)が加工されており、お骨を納めます。近年は、ほぼ直方体の積み重ねで構成された従来型の和墓に対して、細部に仏具のような精緻な彫刻を施したデザインのものや、ローソク・線香を立てるスペースがあらかじめデザインに組み込まれたお祀りしやすいタイプのものが増えてきました。他にいわゆる「和墓」に対して、西洋風の「洋墓」や、自由にデザインされた「デザイン墓」などがあります。

B.「外柵」

舞台とも呼ばれます。お墓を建立するスペースを構成します。従来型の、敷地の四辺に石柱を置き、正面にステップ部分をくり抜いただけの簡素なものから、一般の住宅・店舗の外装のように個性的なデザインのものまでさまざまなものがあります。宗教的な約束事があまりありませんので、施主の考え方が反映されやすい部分です。

C.「施工費」

専用に設計された霊園の区画などでは、比較的容易に施工できますが、立地的に施工や運搬がしにくい墓地は、作業に時間がかかりがちで追加費用が必要になることがあります。

価格は、千差万別ですが、次の項目によって左右されます。

石の種類

石質(硬さ・色・石目)・産出地・採掘量・等級によって、石の性質も様々です。石目が均一で細かいものが、丈夫で長年の風雪によく耐えると言われていますが、専門業者でも見極めは難しいものです。施工数の豊富な、信頼のおける業者を選ぶことが重要です。また、香川県産の庵治石等は、採掘量が年々減っているため、その希少性から高価になってきています。

石の使用量

墓石は9寸・10寸など、竿石(中央に「~家」などと彫刻される部分)のサイズで大きさを表しますが、サイズが大きくなれば全体の石材の使用量が増え、価格も比例して高くなります。

墓石の加工費

オリジナルな細工、手の込んだ細かい加工の多いデザインは、手間がかかるため価格も高くなります。

2.「墓地費用(使用料)」

お墓の土地部分を取得する費用のことを「使用料」といいます。
価格は不動産(住宅)と同じように、立地やアクセスが良いところ、土地としての希少価値が高く人気がある地域ほど、高くなる傾向があります。不動産と似ていますが決定的に異なるのは、土地の所有権ではなく、使用権であるということです。

使用料は、墓石の建墓に関わらず、墓地の契約をした際に納入します。また、承継者(使用名義人)が変わっても、所定の変更手続を経れば継続して使用できます。ただし、長期間の管理費滞納、承継者不在などの事由により、使用権が取り消されるケースもあります。

3.「管理料」

管理料は、使用する区画によって料金が規定されており、管理運営主に定期的(年一括、3年一括など)に支払う義務があります。霊園・墓地内の施設の維持・運営管理(参道整備、水道設備、駐車場、緑地、墓地清掃など)の用途に使用されます。多くの場合、1年あたり数千円です。

長期間にわたって管理料を滞納した場合、管理運営主が一定期間告知を行った上で、墓地使用権が取り消されることもありますので、気をつけましょう。

その他 墓石・墓地購入時の支払方法について

「お墓は、仏様にかかわるものだから、現金一括払いでなくてはいけない。」と言われる方がたまにいらっしゃいますが、自動車などと同様に分割払いで購入される方も多くいらっしゃいます。予算的に難しいと思われている方も、一度石材店にご相談されてはいかがでしょうか。